帰国子女という呪い
私は帰国子女だ。
父親が毎週末東京の予備校に通うようになってからしばらくして、アメリカ行きが決まった。知らされたときの感情は特になかった。今までも父親の仕事の都合で自分の世界は変わっていっていたし、周りの同世代達もそうだった。何を思ったところで仕方ないのだ。子供とはそんなものだ。
留学や就職とは違い、自分の意志とは関係なく渡米する。
それは単に語学力の向上や豊富な経験を期待して憧れるだけでは済まない、正とも不とも取れる遺産が残ることになる。
母国語を負担に思う人
語学力が原因で内気になる人
どちらが得意とも言えず気持ちを言葉に出来なくなる人
語学力で誰かに負けることに怯える人
頑なにどちらかを使おうとしない人
帰国子女という言葉に対する期待が、特別な才能や遺伝子を持つわけでもない普通の子供の不安やコンプレックスになる。
すべての帰国子女ないし二つ以上の言語と共に育った人達が自分らしく生きて欲しい。
私はこれからも、英語はギャル語を話す。
バカっぽいだの、田舎臭いだの言っても、それが私。
新しい目標ができない限り、このままでいる。
kinda like that.